ハロー今君に素晴らしい世界が見えますか?
素晴らしい景色を見たお気に入りのサンペドロデアタカマを後にし、一路チリ中部と北部の境辺りにあるラセレナを目指す。
ここでは、最近のマイブームであるお星様を見るためである。
というのも、ラセレナから少しアンデスの麓のほうへ上っていくと、南半球で最大の天体望遠鏡をもつトロロ天文台がある。
ここは年のうちでもほとんどが快晴の日ばかりらしい。
さすがにそこは一般には開かれていないが、規模の小さいママジューカ天文台が一般に公開、実際に天体観測ができろうようになっている。
夕方ママジューカ天文台に着くと夕暮れの空の青と夕日の赤のコントラストが一面に広がって、一番星が輝いていた。
天体観測はスペイン語の説明で専門用語の連発で何がなんだかわからなかったけど、スライドでの説明。ミニ望遠鏡で観察、そして、本格的な望遠鏡で火星を観察と実際目で見れたので問題はなかった。
火星は星の輪郭がはっきり見えるぐらいの大きさになっていたけど、なんだか正直期待はずれ。
いやはや、期待しすぎはいかんな。
でも、さすが晴天皆勤賞だけあって、空も澄んでいて、星の見える数はハンパじゃない。
宮沢賢治の言葉を借りると…
まるで億万のほたる烏賊の火をいっぺんに石化させて、空十二沈めたというぐあい、またダイアモンド会社で値段が安くならないために、わざと取れないふりをして隠しておいた金剛石(ダイヤモンド)を誰かがいきなりひっくり返してばら撒いたというふうに…
そんな感じ。です、はい。
星座板を買ったので勉強します。
また、ラセレナでグアテマラ以来探していたお気に入りのチリの作家、スイス・セプルベダの『パタゴニアエクスプレス』をやっと発見し即購入した。
彼はチリのオバージェというところ出身であるが、政治犯として祖国を追われる。その後のパタゴニアへの帰還を半自伝的に描いているのがこれ。
スペイン語でどこまで読めるかわからないけど、実際のパタゴニア突入までには一通り目を通してみたい。
彼との出会いは『かもめに飛び方を教えた猫』で去年スペイン語の授業で教材になったから。
かわいらしいキャラ、とストーリーの中にも世の中に対する小さな風刺があって、童話のようでもあるのに、まったく退屈しなかった。
日本語では『かもめに飛び方を教えた猫』『ラブストーリーを読む老人』『センチメンタルな殺し屋』などを読むことができるので是非。
さてさて、久しぶりに長々と書きましたが、まだ書きます。
今日(11月20日)の朝は、星も見れたし、セプルベダの本も手に入ったしと、意気揚々とチリ首都サンティアゴ近くのビーニャデルマルを目指すべくバスターミナルへ歩いていた。
今日は生憎の曇り空。
そして、「オバージェ、オバージェ!!」と叫ぶバスの呼び子。
ん!?
オバージェ!?
どこかで聞いたような…???
ってな訳で、今オバージェのネット屋にいます。
そう、セプルベダの出身地と僕のいたラセレナは目と鼻の先だったのです。
勢いで来てしまったのはいいが、なーんにもない小さな町。
でも、そんな小さな町で夕日を見ながら、その小さな町で生まれた作家の作品を読むというのはなんとも贅沢で、なんとも気持ちがいいもんだ。