夕日部、それは男と太陽の真剣勝負
今日より溯ること 約九日。
チリ北部高原の都市、カラマより二時間でサンペドロデアタカマに到着した。
ここはアタカマ砂漠観光の基点となる町で、住民のほぼ百パーセントが観光業に何らかの形で関わってるンちゃうかってぐらい小さく、ツーリスティックな町。
昼過ぎに到着し、翌日のツアーの予約を終え、徒歩三十分ほどの遺跡を見に行く。
その遺跡を上へ上へ登って行くと一帯が見渡せるような展望台にでる。
早い時間帯から誰もいない頂上を陣取り、何も考えず、何もせず。
聞こえるのは風の轟音とその合間の無の音だけ。
見えるのは山と砂漠と太陽だけ。
徐々に太陽とともに温度も下がりはじめ、西の空と東の山を真っ赤に染める。
相変わらず聞こえるのは風と無の音。
その日はなんと、フルムーン!?
フルムーン大好きな欧米人はみんな月の谷(翌々日訪問)へいっているので、遺跡の展望台はだれもいない。
そして、東の赤い山からまん丸巨大な月が太陽と交代するように顔をだす。
役目を終えた太陽はより赤い余韻を残して西の空に沈みきった。
太陽、夕日、満月、砂漠、山脈、風、音、遺跡。
すべてが神秘的で、どこまでも飛んでいけそうな、何でもできそうなおかしな感覚になる。
結局あたりが真っ暗になるまで4時間ほど頂上で座り込んでいた。
至福の時間でありました。
帰りは月明かりを頼りに街まで帰った。
そんなサンペドロデアタカマ一日目。
夕日部作ろうかな…