野良犬のパタゴニア
南米のスイスと呼ばれるアルゼンチン、サンカルロスデバリローチェ(通称バリローチェ)へやってきた。
スイスからの移民が多く、スイス風の三角屋根の家や教会が立ち並ぶ。
そして、町の目の前には大きな湖があり、その向こうにはアンデスの白い先鋒がならんでいる。
今初夏にさしかかり涼しい気候を持ち、冬にはスキーなどのウインタースポーツの拠点となる町になる。
そんなところが南米のスイスとよばれる所以だろう。
さてさて、夜行を乗り継いでメンドーサよりやって来て、涼しさに胸躍らせながら、ビル十階に位置し景色がいいことで有名な安宿「1004」へ。いざ、宿の中に入ってうわさ以上の景観にびっくり。町と湖と山を階下10階の高さから180度見渡すことができる。これは、たまらんとこだな、数日のんびりコースやなと思っていたら、今満室だと!?そりゃそうだな、このロケーションで20ペソ(7ドル)の宿なんてそうない。
こういうことが頻繁にあるんだろう、別の宿を教えてくれたので、しかたなく1004を後にする。
教えてもらった普通の、ほんっとに普通の安宿に荷物をおき、町にでる。
なんだか泣きたくなるんだなぁ。こーゆーところに来ると。
なんだかみんな楽しそうで、お洒落して、ウンドウショッピングをしながらワイワイガヤガヤしている。
アルゼンチンでも有数のリゾート地らしく、冬休みということもあって若者が笑いながら歩いてる。
ほんとなんだか帽子を深くずらして、パーカーに両手を突っ込んで、ウォークマンでガンガンパンクでも聞きながら、アウトサイダーを気取って歩きたくなる訳よ。
そんなことをしてもなんだか涙が出そうになるもんはなるんやけど。
日本でもそんなことはしばしばあったような気がする。
一人でアメ村、堀江あたりを歩くときとか、入学式の日慣れないスーツを着て人ごみにまみれているときとか。
こっちに来て、そういやもう八ヶ月がたったわけやけど、なんだ俺ってちっとも変わってねーじゃん。とか思ったりもする。でも、まあこういうのって生まれ持った性格というか体がそういう風にできてるんやろなと思う。
苦手なもんは苦手なもんやし、俺は俺らしく生きていくさ。
犬と戯れたりなんかしながらのほほんとね。
世の中の
人がなんとも
言わば言え
我がなすること
我のみぞ知る
by坂本竜馬
っさ、元気出して生きましょ!!