氷河で除夜の鐘を | さぁ~て、中南米で何しよかいのぉ~。

氷河で除夜の鐘を

パイネから夕方にプエルトナタレス戻り、次の日にはアルゼンチンのカラファテへ。

目的はペリートモレロという大氷河を間近で見ることと、この町にある日本人宿フジ旅館でうまい日本食を食いながら年越しを迎えるため。


年末年始で宿に空きベットがあるか不安だったが何の問題もなく泊まることができた。

到着日は二週間ほどサボっていた洗濯を一気にした。

サンチャゴを出て以来、船に乗って潮風に吹かれ、パイネで汗と埃と涙と涎でネチョネチョギトギトバリバリの衣類を年末の大掃除ならぬ大洗濯。

これで気持ちよく新年を迎える準備はできた。


31日の大晦日に、氷河を見に行く。

その日は快晴で気温も高く、氷河の大崩落が期待できそうだった。

まず、船に乗って大接近。

氷河の落ちそうなところで待つこと五分。

洞窟のように下部が窪んでいたところの上部がドカーンと大崩落が目の前で起こった。

ん~、なかなか幸先がいいな、にひひ。としていると、その大崩落でできた一メートルほどの波で船が大きく揺れた。

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次に展望台へ。

意外なことに船より展望台の方が近い。

100メートルぐらいの距離感だが、実際は500メートルほど離れているようだ。

高さもガイドによれば50メートルを超えるとのこと。

ちなみに幅は6キロもある。

小さい破片が落ちるだけで機関銃のようにパツッパツッパツッ。

たまにバキッという音も聞こえる。

これはおそらく氷河に亀裂の入った音。

遠くではドドドォッという音が聞こえるが目の前ではない。


二時間ほど待ち、それは突然やってきた。

奥の方の崩落に刺激され手前の狙ってカメラを構えていた、氷河がゴゴゴッと崩れ始めた。

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ドカーンと大砲のように腹に響く轟音を響かせ、あっというまに30~40メートルある氷河がやや緑がかった湖に落ちていった。

余韻のようにして氷河の作った波がの岸壁を叩いていた。


氷河というのは文字通り氷の河。

実際目の前にしても、果たしてこんな巨大な氷の塊が動くもんかと思ってしまう。

でも、半日いただけでこれだけの崩落が見れたということは、やっぱり上から下へと流れるというより、上の氷河の重みいよって少しずつずれていっているのだろう。

あとで、本を読んで見ると、この氷河は一日に2メートルほど進んでいるらしい。

なんとも流れの緩やかな河だこと。


大晦日は羊の丸焼き(コルデロ)やソーセージのバーベキュー。

食後に去年の、いや、正確に言うと一昨年(2004年)の紅白のビデオを見て、大晦日気分を味わう。

といっても、こっちの午前0時は日本では同日の昼十二時ぐらいになってしまっているのだが。

現地時間の十二時になるといたるところから花火が上がり始める。

なんでも、個人で花火を打ち上げるらしく、家の威信を賭けて花火大会である。

なるほど翌日の道端にはあの花火の筒がいたるところに転がっているわけだ。


こんな感じの年越し。

実際、一年が終わって新しい年が始まったという実感がなかった。

別に人間の生理学的にはなんらいつもと変わらない一日だけど、なんとなしかそういう節目節目は大切にしたいわけです。

氷河が大晦日の日に108回大崩落して、除夜の鐘ならぬ除夜の氷河大崩落ってなもんになったら、さらに年越しを味わえたのにな。


初めてタイマー機能というやつを使ってみます。