THE氷壁 | さぁ~て、中南米で何しよかいのぉ~。

THE氷壁

いったい何日遡るんやろか?

新年早々に氷河を見て年越しをしたカラファテを出て、アメリカ大陸で一番難しいといわれる山、フィッツロイへの拠点となるエルチャルテンに向かった。

大体一ヶ月前ってことになるか。

一ヶ月前の日記をためらいもなく堂々と書くところ、僕ちんも多少でっかい男になったでしょうか。

さて、タイムマシンに乗ってお楽しみください。


3日の日に朝早く起きて、まずは氷河トレッキングへ。

三時間ほど歩いて氷河に到着。

スニーカーにジーパンという完全に氷河をなめた格好でアイゼンを装着し、氷河に突入。

別にたいしたコツも必要とせずに、単にサクサクアイゼンを氷にぶつけていくだけで歩いていける。

生憎天気が良くなく真っ青に光る氷河では無かったが、クレバスの下を流れる水の青さはアンデスの空の青さに匹敵するものがあった。

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氷河の上を十五分ほど歩いて、ちりなどで汚れて薄黒くそびえたつ氷の壁にぶち当たった。

そう、今日はここを昇るのであります。

そう、アイスクライミング初体験。


まず、バティストゥータ風のガイドがピッケル(ロープ)とアイゼンで十メートルほどの氷壁を軽がると登っていく。

壁を登り切ると慣れた手つきでザイルをはり、準備は完了。

早速、ヘルメットを付け、ハーネス(ベルト)にザイルを結びつけ、ピッケル(鎌みたいなもの)を持って、ひたすら右手左手右足左足を順番に氷に打ち込み、体を持ち上げるだけ。

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結構、かっこよさげなわりに、その見栄えほどしんどくない。

まあ、しんどくないっていっても、完全になまり切った体を、手と足で引っ張りあげていくのは多少骨が折れた。

まず、ピッケルを持つ手の握力が次第になくなってくる。

そして、つま先だけで踏ん張っているので、つま先ふくらはぎあたりがプルプルと震えだす。

この時ほど体を鍛えなおそうと思ったことはない。

いつもは三日とその意志が続かないけれど、それが今ブエノスでのランニングにつながってる。

その話は後ほど。

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まあ、なんとか十メートルほどの壁を登り終えました。

ブエントラバッホ!!

よくできました!!

あの時は絶体絶命の絶壁に見えたのに、今こうしてクーラーの効いたネット屋さんでポチポチキーボードを叩いているとせいぜい70~80度の壁であったなと思う。

よく聞く話やけれども、壁とか坂って人間が実際以上に角度があるもんやと勘違いするらしい。

便利にできてるのか、不便にできてるのかわからんけど、実際見た目には惑わされず、真実を見極める目を持ちたいもんです。


ってか、氷の壁を登ってこんなバカなことを考えるはずがない。

登ってるときは無我夢中。

一ヶ月たって、熟成された思い出がこれ。

何じゃそりゃって感じ。